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Tortoiseのライブに行ってきました。5回目くらい?
今回のフライヤーはこちら
場所は新宿Zepp。2か月前のPuma Blueもここだったんで場所を覚えました。
前回公演は去年のFruezinho、この時は新譜『Touch』リリース前で「新曲」としていくつか演奏されていました。今回は晴れてのアルバムツアーということで、この2公演を追えるのは中々貴重な機会だったんじゃないでしょうか。
新譜『Touch』は、より「テクスチャー」を重視したアルバムという印象で、このバンドに「ワンダー」、つまりハッとするフレーズ・展開やリズムを求める自分にとっては、心地よく聴き流せるけどすこし物足りなさもある一枚でした(「ワンダー」については今度また説明しますが、前作で言うと「Gesceap」がこれに当たります。あれは本当に驚きの新境地で名曲でした)。さてそのライブはいかに。
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えー、まず過去一のド迫力でした。
前段から。自分が最初に観たのは2014年のビルボード(ちゃんとブログ記事を残している!偉い!)で、その洗練された出音になるほど~とか思ってたんですが、次に観たのが2016年、前作アルバムツアーでのSpotify O-EASTで、このライブハウスでの演奏がもうかなり荒々しくて、「やっぱり!!」なんて快哉をあげたりしました。なんてったってハードコア出身のバンドですからね。Fruezinhoはホールなのでビルボード寄り、んで今回はZeppなので、ライブハウス寄り。一番好きなTortoiseが観れるぞ!と意気込んでました。
が、、本当にバカデカい。さらに低音がすごい。これは自分の耳が育ったことで意識されたのもありますが、Puma Blueもそうだったので会場特性もあるはず。
このデカさが、プラスにも、マイナスにも働いた公演だったと感じます。
プラスとしては、ロックバンドの味が強い楽曲達と、ツインドラム曲。開幕から新譜のエンディングを務める「Night Gang」でしたが、音源のストリングスが爆音ギターに上書きされた音像は、グッと雄大に聴こえて初っ端から圧倒されました。そしてツインドラムの「In Sarah, Mencken, Christ and以下略」!これ、過去聴いた中でもベストテイクでした(演奏の模様はこちらです)。Fruezinhoでの演奏に足りていなかった成分を摂取できた。
マイナスは、"静"の魅力のある楽曲たち。今回の「バカデカい」はダイナミックレンジが少ないと言い換えられるものだったので、メインフレーズが埋もれる音量バランスが気になったり、特にビブラフォンはリバーブの残響も残りすぎで濁った音に感じてしまったり、ここは少し残念でした。この辺は、音の分離が素晴らしかったFruezinho方が、その魅力を捉えていたなと(演奏の模様はこちらです2)。
「Dot/Eyes」が一番会場ごとのモードが伝わりやすかったと思います。上の動画の通り、Fruezinhoはマッケンタイアのドラムを主としたダブ的な空間支配が際立っていました。ファーストを彷彿とさせる、閉じた緊張感。一方今日の演奏はドラム、シンセ、ノイズが全部同じレベルで並んでいたので、よりカオスな、開けた散乱。いやーかなり凶暴でした。本当に60近い人たちなのか?
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閑話休題。
Tortoiseは精神的な意味で完全にパンクバンドです。どういうことかというと、「完璧」を目指すようなバンドではない。「さて、今日はどうなるかな」と、「えいや」で音を出すバンドです。もちろん、ふつうのバンドではありえない曲中のパート移動はとても「えいや」で済むものではありませんが、彼らってセットリストの曲順もかなりイジるんですよね。これ、曲ごとのパート間移動も考えるとマジで面倒くさ過ぎるだろと思うんですが、それも彼ら流の、いつも新鮮な気持ちで「さて」と「えいや」に取り組むための工夫なんだと思います。ビッグリスペクト!
……ただ、ややこしいのは。
このバンドにはビルボードで聴きたいような美の魅力(完璧であることが素晴らしい)もあって、その上でパンクの魅力(間違うことが素晴らしい)の両方を持っていることなんですね。だから毎回自分はTortoiseのライブを観ると、あまりに神がかった時間帯と、あまりに人間(剥き出しのヒューマンエラーという意味で)な時間帯、どちらもあって、本当に生ものだな、なんて感じるのでした。
だから何回観ても面白いのです。
また来たらまた観たいですね~~。
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今回はTortoiseの看板ギタリストであるGt. Jeff Parkerがいない特別編成でした。代役を務めたのはJames Elkington。Brokebackにも在籍していましたよね?これはこれで貴重な機会でした。
基本的には忠実に演奏していましたが、ソロパートではJeff Parkerよりもノイジーでアグレッシブなプレイを見せていたと思います。特に「Swung From The Gutters」のインタープレイが光っていた!素晴らしかったです。にしても、このバンドの代役を務めるのは、ふだん使わない頭を使うから大変そうですよね……(「Ten-Day Interval」ではしっかりマレットも叩いておりました……)。
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ほか、曲について幾つか。
「Prepare Your Coffin」
昔から定番の曲なのですが、前回も今回も、妙にぎこちなくなっているのは何故なのだろう……。マッケンタイアはカッコ良いし、途中のベタなブレイクで何度でも湧いちゃいますけどね。
「Vexations」
新譜リリース前のFruezinhoでもやっていたナンバー。どうしてもこの、素朴なエイトビートとンデンデってディスコベース + 手癖すぎるリードフレーズという組み合わせが好きになれないんですが……目の前でこのビートを叩かれたらカッケェ~~ってなってしまう。でもこの曲はやっぱり終盤の展開が良いですよね。今回「Eros」がセトリから外れているのはこの曲がいるからだと勝手に想像しています笑。
蓮沼執太が昨年、マスロックや『Standards』あたりのTortoiseへのリスペクトを捧げたアルバム『TEAM』を発表していますが、この曲の展開には本当にガッツポーズしたんじゃないかなと、これまた勝手に想像したり。
「Crest」
言わずもがな、美しい名曲な訳ですが、ビブラフォンが残念だった曲はこれです……。大きくしすぎて歪んで、残響も強すぎて濁って聴こえました。マッケンタイアのシンセ(ストリングス)も音に飲まれてしまっていたし。ちょっといつもと違う景色のCrestでしたね。
「The Equator」
あらためて聴くとめっちゃ3連ノリの曲ですね(当たり前すぎる)。なんでこのベタなノリで、この異空間感が形成されるのか不思議でならない。原曲はエフェクトがかった質感がまず独特で。ライブになると当然そこは剥がれるのですが、例えばTNT再現ライブでは電子ドラム音を使っていました。しかし今回は生ドラム。いやめっちゃ踊れるリズムのはずなんですが、なんだろう、この、違う惑星の生物が人間のダンスミュージックを真似たような微妙な異物感は……。ある意味『TNT』を、Tortoiseを代表する曲な気がしてきました。
「Rated OG」
今回のツアーの定型締め曲。2分少々ですが、『Standards』と『Beacons of Ancestorship』を融合させたような暴虐さでカッコイイ。John Herndonはもう身を乗り出して叩いており、笑いました。最高のドラマー。
Tortoiseが好きなミュージシャンは多いと思いますが、Tortoiseみたいな音楽をやっているバンドは、実際本当に少ないと思います。どこを「Tortoiseっぽい」とするかによりますが、このライブの音楽性を演ってるバンドが他に全く浮かべられない。
これを「ポストロック」と広く呼びますか。それも良いですが、自分はTortoise単体についてもっと考えていきたい気がしています。
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ということで今回もメッチャ良かったです。良かったというか、やっぱ面白い。それはジャンルと時代のよく分からない音楽もそうだし、人間が忙しなく行き来しながら楽曲を奏でている光景もそうだし、その中で踊ったり・バカスカ楽しそうに叩きまくるドラマーたちももそうだし。ズレたりミスもする演奏を、お互い顔見合わせながら鳴らし進めていく時間だったり……。
色んな意味で、やはり最高のバンドだとあらためて思ったのでした。終わり。
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ところでこれ、どう考えても「日記」の文量じゃないですよね。
「ライブ」記事欄の創設を考えておきます……。
Tortoise来日ツアー2026始まりましたね!
自分の好きなライブ映像と前回の演奏模様をまとめました
Boards of Canadaの新譜で泣いとる。Iceageの新譜でも泣いとる。